車の部位別解説。第2回:フロントフェンダー

車の部位別解説

フロントフェンダーとは?

フロントタイヤの上に取り付けられた、上記の画像で赤く塗られた部分のパネルです。
素材は鋼板(スチール)が多いですが、樹脂製も増えています。かなり稀ですがアルミ製も存在します。
道路運送車両の保安基準では、タイヤが一定以上車体から突出してはならないと規定されているため、フロントバンパーとフロントフェンダーの内側にタイヤが収まる形になっています。

フロントフェンダーについて

見た目

タイヤを中心にフロントバンパーとフロントフェンダーで繋がったアーチ状のプレスラインが特徴的なパネルです。
自動車側面の先頭パネルで、続くフロントドア・リアドア・リアフェンダー(クォーターパネル)に掛けて繋がったデザインが構成されています。

【フロントフェンダーに付属する部品】
1.ウインカーレンズ
一般的にはフロントフェンダーかドアミラーのどちらか1つに付いています。
パネルの中心よりやや後ろに穴が空いており、はめ込み式です。
2.マッドガード
フロントフェンダーの下部、タイヤの真後ろに取り付けられており、文字通りタイヤが跳ねる泥を防ぐ役割があります。
オプションで選択する事が多い部品ですが、オーバーフェンダーやサイドスポイラーと同時に付けられない車種もあります。
車体色で塗られた物や素地の物があります。
3.オーバーフェンダー
元々は太いタイヤを履かせたい場合などに車体からはみ出さないよう取り付ける部品です。
RVやSUVなどに装着されている事が多く、近年ではデザインとしての役割が強くなっています。
主に樹脂製で、車体と同じ色や違う色でアクセントにしたり、素地の物もあります。

フロントフェンダーの役割

タイヤが走行時に巻き上げた地面の砂や小石、泥水等の飛散を防止するためにタイヤに被さるように取り付けられています。
また直進姿勢を取っている状態で「ホイール・ホイールキャップ・ナット」が車体より突出するは禁止されており、フェンダーもしくはオーバーフェンダーからはみださないようにしなければいけません。

フロントフェンダーの修理について

損傷を受けてしまった場合の主な修理方法は、「損傷を受けたパネルを修理」「損傷を受けたパネルを交換」になります。
フロントフェンダーは他のパネルに比べると新品に交換した場合の費用が比較的安価な傾向があり、基本的には修理の方が安く済む反面、損傷が大きくなればなる程「新品交換と修理の金額差が小さくなる・復元後の品質は下がる」となり、注意が必要です。
また、鋼板パネルは変形していても修理は可能ですが、樹脂パネルとアルミパネルは変形してしまった場合には交換を推奨します。
ちなみに鋼板パネルの判別の仕方は、マグネットがくっついたら鋼板パネルです。ただし傷を付けないようにマグネットを薄い布で覆ってから近づけましょう。

鋼板製フロントフェンダーのすり傷のケース

修理でキレイに直せるので、修理で依頼して問題ないケースです。もちろん交換よりも安くなります。
ただし傷が深い場合には錆が出てきます。すぐに修理すれば全く問題有りませんが、長い期間放置すると錆は広がり腐食に繋がります。腐食の程度によっては修理が困難になるので気をつけましょう。

上記はトヨタ・アクアをイメージした生成画像で、線傷修理の見積り例の金額は71,115円です。
解説を読む(71,115円の内訳)

鋼板製フロントフェンダーの変形を伴う損傷のケース

まず「変形がないケース」より金額は高くなります。そして仕上がりの精度も下がります
作業完了後は問題が無いように見えても1年後や3年後に見ると、パテが縮む等の様々な要因により修理跡がうっすらと見えてきてしまう事もあります。
錆と腐食に関してはすり傷のみのケースと同様ですが、変形している場合には元々の塗膜が割れて鋼板が露出しやすく、錆が出やすいのでご注意下さい

上記はトヨタ・アクアをイメージした生成画像で、へこみ修理の見積り例の金額は79,585円です。
解説を読む(79,585円)

損傷が大きい場合には交換も候補になり、見積り例の金額は86,460円です。
解説を読む(86,460円)

樹脂製フロントフェンダーのすり傷のケース

鋼板製と同じく修理でキレイに復元できます。
尚且つ樹脂は錆びないので、そういった意味では樹脂の優れた点です。

上記はダイハツ・タントをイメージした生成画像で、線傷修理の見積り例で金額は68,420円です。
解説を読む(68,420円)

樹脂製のフロントフェンダーの変形を伴うケース

樹脂のバンパーなどと同じく、変形してしまった場合には熱を加えて形を戻し、パテで形を整形します。
ただし仕上がりの品質は劣りますので、新品に交換した場合の金額差を必ず確認した上で、選択する事をオススメします。

上記はダイハツ・タントをイメージした生成画像で、不思議なへこみの変形修理の見積り例の金額は77,660円です。
解説を読む(77,660円)

損傷が大きい場合には交換も候補になり、見積り例の金額は81,703円です。
解説を読む(81,703円)

まとめ

フロントフェンダーはフロントタイヤに大きく関係する重要なパーツです。
変形を伴う大きな損傷を受けた場合には保安基準上の問題で車検に通らない可能性や、安全に自動車の運用ができない可能性があります。
また、鋼板パネルは傷が付いた時に錆が出ないように適切に対処しましょう。

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