DIY修理も楽しければヨシ!

雑記

先日、作業をしていた私の所にお客様が直接やってきて相談を持ちかけてきた。
話を聞いてみるとDIYで途中まで進めた修理の続きを依頼したい。という話だった。
私はまた失敗した後始末をして欲しいという残念な方が来たのかと思ったが、「後始末」ではなく「下地処理を自分でやったから、塗装だけやってほしい」という事らしい。

私は思った。絶対ダメなやつだ

そもそもこのブログの発端が「DIYで失敗する人を減らしたい」という事である。
今まで板金塗装工として働いてきて、このタイプの来店パターンで嫌な予感が当たらなかった事はほぼ無い。
そんな気持ちでお車を拝見しにお客様駐車場へ向かったのだが、実際に見てみた所「あれ?そんなに悪くない?」というレアパターンな状態だった。
少し手を加えればこの状態から塗装をする事は出来るかもしれないが問題点がいくつかある。
念入りに想定されるデメリットを説明し納得して貰った上で「少しだけ下地処理+塗装」でお受けする事に。

ちなみに本来は塗料の相性が悪いなどの理由でDIYの途中から続きを請け負う事はほぼ無く、お客様が盛ったパテや塗料を全て削り落とすマイナスからのスタートとなるのが通常パターンであり、もちろんそういった後始末にも作業工数は発生し請求金額は高くなり、DIYに使った材料費は無駄になるのでお客様は泣きっ面に蜂になる訳である。
なので、パテや缶スプレーを使う時は大失敗になりかねないのでマジで勉強してからやりましょう!
一応今回のレアパターンでも結構悩んだ上での受注だからね。

そして今回のお客様のお車は少々手間取ったものの無事に塗装は終わり納車ができるぐらいの形にはなった。
作業途中でやっぱり受けない方が良かったかなぁ〜って2回思いました。以下はまとめです。

メリット
・総合的な修理金額は安くなった。
・DIYの余ったツールはまた何かに使える。
・楽しんでるようには見えた!

デメリット
・造形に多くの歪みが残っている。
・サビ対策に不安がある。
・使った時間に対しての見返りは乏しい。

まず一番のポイントになる金額だが、多分節約できた金額はDIYツールの費用を引いて10,000円以下ではないかと思ってる。
板金塗装の見積システムで大きなウェイトを占めているのが塗装と材料費であり、キズ・へこみの修理工賃は悲しくなるぐらい安い。
その反面でお客様が使った時間は「情報の下調べ・ツールを買い集める・作業」まで含めると節約できた金額と比較して割に合わないと考えてしまう。
ちなみに当社の請求金額は約60,000円だったので、それに対して数千円の節約は割合としては大きくない。

しかし修理前の相談をしている時から思っていたのだが、お客様は自分の仕事をやり遂げた感じな雰囲気だった。だから私も野暮な事は言わないし悩んだ上で塗装だけやってあげるかとなった訳である。
野暮な事を言わないの中に「後々サビが出てきそうな気がするなー」というのも入っていて心配だが…まぁいいか、楽しそうだったし。

最後に仕上がりだが、はっきり言って歪みはかなりひどかった。
ここは予め伝えておいたが塗装してツヤが出ると歪みは視覚的に認識しやすくなる
野暮な事を言ってしまえば数千円節約の為にここまで出来栄えが悪くなってしまった…とも言える。まぁいいか。楽しそうだったし。

この手の依頼は基本的に「最初からプロに依頼すれば話は早く出来栄えも良かったのに」という話になる。
しかし今回は私も結果だけしか見ないのも一考の余地有りだと思わせられた。
結論「楽しめたなら何でもヨシ!」

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